あんざい通信コラム 今さら聞けないWebサイトのコト

今さら聞けないWebサイトのコト Vol.4 Webサイト戦略で社員の意識が大きく変わる

Webサイト戦略を社長のみが参加していませんか?よくある話です。今回はWebサイト戦略会議に社員を参加させたことで意識や目的が変わり、成果を出した事例を紹介します。

 

今回紹介する事例は機械加工をメイン事業としている企業となります。従業員数はパートを含め約40名。そのうち営業は6名です。現行のWebサイトは来訪者の平均は日に10~20人、問い合わせは月に1件あるかないか。リニューアルのきっかけは10年前に制作し、古くなったデザインを最新のものに変更することと、スマホなどでも閲覧しやすいようにレスポンシブデザインにする目的となります。※レスポンシブデザインとは・・・ユーザーの デバイス(パソコン、 タブレット、モバイル、 ブラウザ)に関係なく同じページで表示を最適化するデザインです。

リニューアル会議では社長と営業部長のみが出席し要望を聞いていましたが、業務の細かな部分や現場での声を反映させたいとの意向から、会議の度に確認事項が次回持ち越しとなっていました。どうしてもやり取りが遅くなるため、営業から1名、工場から1名参加することになりました。
リニューアル会議当初、Webサイトの目標は「きれいなデザイン」 「清潔感のある配色」 「会社概要の整理」などでしたが、徐々に社員から声があがってきました。営業からは「自分たちができる加工内容を具体的に載せませんか?」工場からは「自分たちの商品の在庫状況を載せませんか?」との意見でした。最初は社長も「それは必要か?」と言われていましたが、実は二人が言った内容は取引先から最も多い声だったのです。

当初社長はWebサイトを会社案内と考えていたのですが、社員の声を聞いてはっとされました。Webサイトは会社案内的要素ももちろんありますが、きれいなページ、可能性を感じる業務内容を紹介するだけではもったいないのです。Webサイトは24時間営業しているバーチャル営業所です。訪れるユーザーはふらりと立ち寄るのではなく、ピンポイントで商品名や加工内容を検索して訪れることもあります。
「みんなが言うなら入れてみるか」と社長が決定、Webサイト戦略会議に形が変わった瞬間でした。リニューアル後は狙い通り加工内容や在庫状況でヒットし、アクセスが5倍に増え、月の問い合わせが10件を超えるようになってきました。Webサイトがただの会社案内から営業ツールになった成功事例です。

Webサイト戦略会議によって社員は訪れるユーザーを意識した内容のWebサイトを作るように考えるようになりました。印象的だったのは「うちの会社ってこうやって考えると、すごい在庫数もっていますね」の声でした。案外商品に関して知識や売り方は長けていても会社自体の特徴は企画書にしないとわからないものです。Webサイトリニューアルで一番変わったのは社員の意識かもしれません。